辻 千絵 公式ブログ「ポコ・ア・ポコ」


☆「Pianoscapes 〜ピアニスト 辻 千絵の音楽風景〜」 放送中
毎週金曜日 9:50〜10:00はラジオかパソコンの前でお楽しみください。
大前光弘の「朝の情報番組 モーニングサンドウィッチ」の1コーナーとして辻千絵の演奏が聞けます。
 ラジオが遠い方はインターネットを利用して視聴できます。

詳しくはサイマルラジオ
またはリッスンラジオで。


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2023年7月13日木曜日

天上の音楽を

ピアニストの辻󠄀千絵です。
作曲、ヴォーカル、ギター等多岐に渡りその才能を輝かされていた伝説のバンドフィルムスの赤城忠治さん。
突然旅立たれた赤城さんのご葬儀に参列するため、主人と暑さ厳しい群馬県に訪れていました。

とても珍しいご病気で闘病されていると伺ってはいたのですが、本当に突然の訃報で、失礼ながら最初はガセネタかと思い、情報の真偽を確かめるのに少し時間がかかりました。

赤城さんとは、2002年に開催された当時ルイヴィトン札幌店のオープニングパーティー演奏で、テルミンやの雪さんの伴奏をさせて頂いた時が最初でした。
当時の私はテルミンも赤城さんもフィルムスも何も知りませんでした。

このイベントをご縁に、2003年にロシア領事館でのコンサートはやのさんをゲストに、2004年は中央区の門馬ギャラリーでやのさんと赤城さんを迎えてコンサートを開きました。ポスター制作は、共通の友人であるイラストレーター山岸みつこさんでした。
この日は何故か次から次へとトラブルが発生し、どんどん伸びる開場時間に怒って帰ってしまうお客様もいらして…

それでも何とか開演し進行していく中、赤城さんが独りでギターを持ってマイクの前に。あれ、どうして雪さんはスタンバイしていないんだろう?と思ったその時、赤城さんが独りで歌い始めました。
その瞬間まで赤城さんが歌うと全く思っていなかった私は心底ビックリしました!勝手にギタリストだと思いこんでいました。

実はこのコンサートで一番に評判が良かったのが、この赤城さんがギター弾き語りで歌われたアイルランド民謡「マハラリイの花」だったんです。
その日はポール・ギャリコ作「雪のひとひら」から着想を得たという赤城さんのオリジナル曲、Here itも聴けました。

その後も、札幌くう、台湾、ロシア大使館、群馬県妙義、高崎等で共演させて頂き、貴重な音楽のひとときを共有させて頂きました。

一度イギリスのイベントに同行のお話を頂いたのですが、他の本番が入っていて私は行けませんでした。今思えば、代役立ててでも行けば良かった。後悔しかありません。


赤城さんは凄い方なのに気さくでいつも笑顔。お料理も上手でした。リハで伺った時にスープカレーを作ってくださいましたね、また食べたかったです。

写真は、赤城さんとの最後の共演になってしまった2019年の高崎です。
コロナが無ければもっと交流出来たのに、ただただ残念です。

お通夜は赤城さんのお仕事関係の方々をはじめ、様々な方が訪れていらっしゃいました。自宅でのお通夜っていいですね。
このお通夜で私と主人は、11年前に赤城さん雪さんを含めた台湾ツアーでご一緒したメンバーと久しぶりの再会。
お互い元気にお会い出来て本当に良かった。 
赤城さんの昔ばなし、音楽の話題で多いに盛りあがりました。皆の様子を赤城さんもきっとニコニコ見守っていてくださったことでしょう。

ご葬儀当日は錚々たる有名人の方々、遠方からも赤城さんを慕う沢山の方々から花輪が届けられ、斎場には赤城さんのCDが流れていました。

斎場に到着していきなり友人代表の言葉を任された手塚眞さん(手塚治虫さんのご子息、映画監督)。
「なんちゃって、と言って起きて来るのではないかと」の所で、喪主含め皆頷いていました(笑)


私と主人は飛行機の時間の関係で花入れまでは滞在出来ませんでしたが、お焼香させて頂けて本当に良かったです。

行ける時に行く、会いたい人に会う、心の望むことをやりきる。
旅立つ人に改めて教えられました。

手塚さんもおっしゃっていましたが、赤城さん、これからは天上の音楽を思いっきり奏でてください。
そして雪さんとお仲間、私達を宇宙から見守っていてください。

音楽も病も、何もかもが最先端だった赤城さん、ありがとうございました。

またお会いしましょう!

【ピアニスト辻󠄀千絵公式ホームページ】
http://tsuji-piano.com/

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