
「NPO法人芸術家のくすり箱」というところから、アンケートが届きました。
音楽家の手の障害に関するものです。
二年前のアンケート調査で、プロオーケストラの団員が演奏活動によって手に怪我や故障を起こした経験は41.6%にのぼり、特に弦楽器奏者がその率が高いことがわかったそうです。
私は病院に行くほどではありませんでしたが、本番直前に大量に送られて来た伴奏の曲を短い間に長時間練習したため、左手親指に違和感を感じ、やむを得ず本番前一週間、練習を断念したことがあります。
アマチュアのヴァイオリニストの知人が雪かきのしすぎで手を痛め、病院で注射を打ってもらったところ、それ以来しびれが残るようになった話を聞いてから、病院には怖くて行けません。
職業病か音楽家は肩凝りの人も多く、カイロプラクティックや整体、マッサージに行く人もいますが、私は一切手を触られたくないので行きません。
ですから、腕が疲れたり少しでも違和感を感じたら練習はやめます。
これは大学の先生に言われたことで、私も自分の生徒に必ず言います。
今までのピアノレッスンは、手への負担についてはほとんど触れられてこなかったように思います。
痛いのを我慢して引き続けたらいつか痛みがなくなり上手になる、みたいな間違った根性論を根拠もなく信じている人もいるでしょう。
スポーツならありえないことですね。
故障してしまったら治療に時間がかかる訳ですから、やはり予防が大切。
違和感を見逃さない、無理をしないことが大切。
9月13日(日)に、日本財団ビル(東京都港区赤坂1-2-2)にて「演奏家の手の障害〜ピアニストを中心に〜」、酒井直隆先生(宇都宮大学大学院工学研究科教授・横浜市立大学医学部客員教授・洗足学園音楽大学客員教授)の講演があるそうです。
この分野が浸透したら多分、ピアノの弾き方、教え方が変わるのではないかと思います。
音楽家の手の専門医のお話、大変興味あります。